社長の息子が辞めるとき 7

今回はミス回です。

仕事である以上絶対ミスはあります。

それをどうやって無くすかがもんだいなんですがうちの人たちはなにも考えません。

それはそれでいけません。

きちんと解決しないといけないのですがうちの製品は絶対人目につかないので適当に溶接して直してましたし、ミスしても自社の在庫にいくらでも原材料があるのでそれほど気にしてませんでした。

強いて言うなら時間が無駄になるくらいです。

それから、製品の作り始めは絶対お客に出せないような箇所が出ます。

バームクーヘンの端っこだと思ってください。

これはセッティングする人の腕によって減らすこともできますがうちのクリスおじさんはあまり器用ではなかったので僕から見ても少し多いなとおもう時もありました。

社長はこれをいつも気にしてました。

無駄が多い、減らせ。

たまに言われました。

確かにその通りですがそれしかいいませんでした。

業務の事は僕の親父である専務に丸投げし、自分は午前はお昼寝、午後は工場内のお散歩です。

業務の事、製品の事、相談しても無駄なことはするなと話を聞いてくれません。

ですので工場側としても誰一人社長の言葉を聞こうとするひとはいませんでした。

僕もそうでした。

確かに製品の無駄は減らさなければいけません。

こちらとしてもクリスおじさんと一緒にあれこれ考えて製品の無駄を減らすことに成功しましたがそれにも気づいていないようでした。

つまり、午後のお散歩の時間は会社の改善点を探しているのではなく本当にお散歩の時間だったのです。

僕の担当している難しい機械ではごみが多く出ます。

調整に時間がかかるということは、その原材料となるものを機械に通して出てきたものを計ってるわけですからその分材料はごみとなります。

代わりの材料では全く意味がありません。

同じ原材料でもロット番号が違えばかなり違うセッティングになるのです。

また、かなり特殊は材料ともなるとセッティングがかなり難しいですし、ごみも多いし製品もあまり満足のいくものではありませんでした。

会社として改善すべきところだとみなさん認識していたようですが僕としてはその製品に合った機械のパーツを買ってほしかった!!!(大声)

なんかいも言ってるのに!買ってくれ!って!なんで!やれとしか!いわないんだ!

しばらくして、社長のドラ息子がいきなり、

「この特殊材料の製品なんだけど、商品化してる会社の工場見学にいって聞いてきた」

は?僕も連れてけよ!

「ここの部分をペーパーやすりでツルツルになるまでみがくんだって」

ツルツル?

ツルツルというだけの言葉ではあてになりません。

「3000番ですか?それまでならうちにあります、それ以上なら買ってきます。何番のペーパーを使ったんですか?」

「いやちょっとわからない・・・とにかくツルツルだって。」

「そこ一番知りたかったんですけどね!(半ギレ」

この話を親父にすると「本当はあんたが行くべきだったね、あいつら(社長とドラ息子)かってに話進めていつの間にか行きやがったんだよ。」

そういうのは会社で共有すべきでしょ。なにやってんの社長。

それでこの特殊製品に関してある日僕は大きなミスを2つしました。

メジャーの読み間違いで発注とは異なる長さの製品を出荷しました。

これは本当に僕が悪いです。

でも数人は「あんただけのせいじゃない、チェック体制を強化すべきだ。あんた一人に製造から最終チェック、出荷準備までさせるなんておかしい」と言ってくれました。

ほとんどは「あいつやっちまったな・・・」という感じでした。

そしてもう一つのミス、網目の寸法が0.4mm足りなかった!

そこそこのクレームとなりました。

特にメジャーの読み間違いはヤバかった。

この2つをきっかけに会社を辞めた(と周りから思われていますが実際はずっと前から転職の準備は進めてました)

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